活動
1.稽古会 動きの質的転換めざし
武術(剣術)を殺陣に取り入れることを試みて、それなりに成果をあげている作品は、過去の日本映画の世界には、僅かですが存在します。
私たちは、そうした過去の作品に学びつつ、様々な制約がある現代の環境の中で、どうすれば日本の剣術、抜刀術の独自性を殺陣に生かすことができるかを、考え続けています。
「武術と殺陣の研究会」では、このテーマを具体化させていく上で、必要な要素として次の三点を掲げています。
●役者の動きの質を、武術的な発想で向上させる。
●殺陣の振り付けを、剣術、抜刀術を面白く見せるという発想で組み立てる。
●映像、舞台など実際の製作現場でも対応できるような稽古システムを開発する。
動きの質的転換とは、一つには、力の出し方や使い方を変えるということで、その結果 真剣とほぼ同じ重さの模造刀を、女性でも軽々と扱えるようになります。
それは腕が太くなるような筋トレ的な稽古の成果ではなく、動きの構造が武術的に変わったからとも言えます。
演技者の動きの質が向上すれば、そこから殺陣の表現そのものも、変化させることが出来るはずです。
そこから、本来は第三者からは判りにくい武術の動きを、敢えて見えるもの、楽しめるものに作り変えてゆく作業が始まります。
私たちはそのように考えて稽古を続けています。
2.実験としての作品製作
「とにかく映像を撮って見よう。」
私たちは、映画監督、カメラマン、脚本家など映像制作に携わるプロの協力を得て、実験的な撮影を始めました。
それは稽古場から始まり、スタジオを借り、さらに地方ロケを実施するという展開に至っています。
まだまだ試行錯誤を繰り返していますが、本格的なエンターテイメント作品の実現を夢見て、私たちの活動は続いています。